呼吸発声機能が 低下している方へ
呼吸発声訓練を行いましょう
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呼吸発声訓練を行いましょう
多発性硬化症では、話していると声が大きく出ない(小声)、イントネーションが思うようにつかない、などの言語症状がみられることがあります。
これらは「呼吸発声機能」の低下が原因と考えられますので、「呼吸発声訓練」をしっかり行い、呼吸発声機能の維持・向上を目指しましょう。
呼吸発声訓練の3つのプログラム
呼吸体操(胸式呼吸、腹式呼吸)[5~6分程度]
発声持続訓練[1分程度]
イントネーション訓練[3分程度]
呼吸発声訓練を動画に合わせて行いましょう!
【動画再生時間:19分9秒】
呼吸体操を項目別に分け、わかりやすいイラストとともに解説しています。
棒をご用意ください(両手を組みながら行っても可)
1 イスに座って棒を両手で持ち、まずは鼻から息をゆっくり吸いながら、4秒かけて両手を上げていきます※。
棒を両手で持つ
円を描くように上げる※
2 今度は口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて両手を下げ、最初の位置に戻します。
下げる
最初の位置に戻す
1~2で1回とし、これを5回行いましょう。
棒をご用意ください(両手を組みながら行っても可)
1 イスに座って棒を両手で持ち、胸の高さまで水平に上げ、まずは鼻から息をゆっくり吸いながら、4秒かけて体を右側にねじります※。そして口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて体を正面に戻します。
右側にねじる※
体を正面に戻す
2 今度は鼻から息を吸いながら、4秒かけて体を左側にねじります※。そして、口から息を吐きながら、4秒かけて体を正面に戻します。
左側にねじる※
体を正面に戻す
1~2で1回とし、これを3回行いましょう。
1 イスに座って手を軽く握り、両腕を直角にまげて、顔の前に持ってきます。
両腕を直角に曲げる
2 まずは鼻から息をゆっくり吸いながら、4秒かけて両腕を左右に広げ※、胸を横に伸ばします。
両腕を左右に広げる※
3 今度は口から“フー”と息を吐きながら、4秒かけて両腕を最初の位置に戻します。
最初の位置に戻す
1~3で1回とし、これを5回行いましょう。
バランスを崩さないように、足は肩幅くらいに広げて座ること!
体を倒すときは、片方の手はイスの横につくこと!
1 イスに座ってまずは左手を頭上に上げ、鼻から息をゆっくり吸いながら、体を右側に4秒かけて倒します※。そして、口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて体を最初の位置に戻します。
左手を上げて体を右側に倒す※
最初の位置に戻す
2 今度は右手を上げ、同様に鼻から息を吸いながら、4秒かけて体を左側に倒します※。そして、口から息を吐きながら、4秒かけて最初の位置に戻します。
右手を上げて体を左側に倒す※
最初の位置に戻す
1~2で1回とし、これを3回行いましょう。
1 イスに座り、肩の力を抜いて両腕を下ろします。
2 まずは鼻から息をゆっくり吸いながら、4秒かけて両腕を横から円を描くように上げていきます。しっかりと手を真上まで上げていきます※。
円を描くように上げる※
3 今度は口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて両腕をゆっくりと下げ、最初の位置に戻します。
最初の位置に戻す
1~3で1回とし、これを5回行いましょう。
1 イスに座り、胸の前で両手を組みます。
胸の前で両手を組む
2 両手を組んだまま、まずは口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、4秒かけて頭を前に倒し、組んだ手を前方に押し出します。
組んだ手を前方に、背中を丸めて背中の筋肉を伸ばす
3 今度は鼻から息を吸いながら、4秒かけて組んだ手と体を最初の位置に戻します。
最初の位置に戻す
1~3で1回とし、これを5回行いましょう。
口から息を吐くときは、姿勢は真っ直ぐにして、前かがみにならないように注意しよう!
1 イスに座ってお腹に両手を当て、まずは口から“フー”と息をゆっくり吐きながら、お腹をへこませていきます。
お腹をへこませる
2 今度は、鼻から息をゆっくり吸いながら、お腹を大きく膨らませていきます。
お腹を膨らませる
呼吸体操に関するQ&Aをご紹介いたします。
【A】
呼吸体操は、胸郭の柔軟性を高め胸郭可動域を広げることで「胸式呼吸」を鍛え、また、横隔膜と腹筋群の動きを向上させることで「腹式呼吸」を鍛えることができます。
呼吸体操はイスに深く座って、新聞紙などをビニールテープでぐるぐる巻きにして作った「棒」などを持ちながら行いましょう。(棒がない場合は両手を組みながら行っても可)
棒などを持つ
両手を組む
【A】
息を「吸う」ときは、「鼻」からゆっくり吸いましょう。
息を「吐く」ときは、「口」から“フー”とゆっくり吐きましょう。
発声持続訓練をわかりやすいイラストとともに解説しています。
日常会話で出している声よりも大きめの声で発声しよう!ただし、怒鳴るような大きな声は、声帯を痛めるのでNG!
姿勢をまっすぐにして、お腹に両手を当てます。そして、お腹が膨らむように鼻から息を深く吸い込んでから、声帯に無理がかからない程度の大きめの声で「アー」とできるだけ長く発声します(目標は10秒以上)。これを3回行いましょう。
お腹を膨らませる
発声持続訓練に関するQ&Aをご紹介いたします。
【A】発声持続訓練を行うことで、声帯運動を促し、声を大きくかつ長く出せるようになることが期待されます。
【A】発声の持続時間は、成人で10秒以上(健康成人 男性:25秒前後、女性:15秒前後)が正常範囲で、それ未満だと日常会話で不自由さを感じることがあります。
イントネーション訓練をわかりやすいイラストとともに解説しています。
文章を文節ごとに区切り、一部分の文節のみを大きな声で強く音読します。例えば、下記のことわざを音読する場合、二重下線の引いてある強調箇所を大きな声で強く、ゆっくりと音読します。
下記の20個のことわざを1文ずつ音読していきましょう。特に、二重下線の引いてある強調箇所については、大きな声で強く、ゆっくりと音読してみましょう。強調箇所を変えて2パターンずつ用意してあります。(ことわざの他に、新聞や本などの短い文章を使用して行うのも良いでしょう。)
イントネーション訓練に関するQ&Aをご紹介いたします。
【A】多発性硬化症でみられやすい「言語症状」として、イントネーションが思うようにつかない、話していると声が大きく出ない、などの症状がみられることがあります。
このような言語症状に対して、イントネーション訓練を行うことで、声が大きく、かつ意図したところを強調できるような発話が期待されます。
【監修】
医療法人セレス さっぽろ神経内科病院
言語聴覚士 堀田 弘伸 先生
理学療法士 吉田 良 先生
作業療法士 塚田 周平 先生
【総監修】
医療法人セレス さっぽろ神経内科病院
院長 深澤 俊行 先生
よくあるご質問【病気・症状、日常生活、治療】に専門医よりお答えします